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HMV渋谷店に行った二十歳の学生。

  • 2010年8月21日 03:57

HMV渋谷店閉店。
多くの人がツイッターで呟き、思い出を語っていますと二十歳の学生はツイッターを見て気づく。

大学生なので時間は売るほど余っている学生。気分に任せてHMV渋谷店へと向かう。すごいイベントあるみたいだから行こうという軽い気持ちのくせに名だたるメンツが渋谷店を思いながらギターをかき鳴らし、力の限り謳う姿を見て、彼はいつの間にか心も体もは90年代に思いをはせる亡霊の一人と化していた。やるせなくはてしなくを聴いて、眼がしらを熱くし、CDをジャケ買いして、店員さんにありがとうなんて言ったりしている。HMVになんのバックグラウンドも持っていない二十歳の学生なのにあたかも思い入れが深いような演技をして、渋谷に浸る。

半分以上曲も知らない癖に知ったかぶって、待ってました顔。アーティストに話してはまた知ったかぶってどや顔。誰も気付くわけもない自分任せな演技に酔って、周りに溶け込んでいく学生はどこから見ても亡霊じゃなかった。

一階のDJブースで一人酒をあおりながら、頭をたてよこ、音楽を味わう、そこにいるのはただの無知な二十歳の学生。
みんなが好き勝手リズムに乗って、楽しんでいる中で、場違いな気がしてどんどん冷めていく。

サニーデイサービスまでいるつもりが、彼は友人の待つカフェに行って、語り、そして帰宅。
それからずっと気分が落ちて、やるせない。

カーネーションやピーチカットファイブやスチャダラパーや 東京NO.1SOULSETや…もう数えきれないくらい聴き漁る空っぽの学生。生まれた時と同じ時期くらいの音楽に囲まれながら、ノスタルジーでメランコニックでセンチメンタルな気分になりつつ、今の音楽はクソだとののしられているモテキを見る。

もうすぐHMVが消えてなくなる。渋谷の一大カルチャー拠点が最後にここにはHMV渋谷店といういい場所があったということを誇示するかのように眩しく光りながら消えていく。

90年代の渋谷が築いてきたものが、どんどん崩されていく。
CDはもう終わり。HMV渋谷店の閉店は完全にそれを証明した出来事だと思うのに。
それなのに世界では今日も一日何事もなかった。


学生は演技を辞めることを決め、辞めるべく今日も音楽を聴く。



お勧めのマンガは
ジョージ秋山の「告白」
大友克弘の「童夢」
かな。
どうか読んで。

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