前回までのあらすじ
■ゆとり教育は悪か?-1
■ゆとり教育は悪か?-2
■ゆとり教育は悪か?-3
・・・・・・・・・
私が教育実習当時に感じた疑問というのは、「『絵を描く楽しさ』を伝えきれてない」ことだったんですが、それは私がファインアート的視点でしか美術教育を捉えてなかったからだし、勉強不足によるものだと気がつきました。
「デザインとは絵を描くことだ」と思ってた時代の発想(笑)
つまり学習指導要領の範囲を超えてなかったのです。
それも確かに大事だけど、それだけじゃない・・・ってことを思うようになったのは職員になって、しかも広報課になってからですね。
4年間美大に通ってそんなもんなんですよ。
ただ、私がそうだったように、もしかすると現場の美術教師の中には、美大を卒業したまま、当時の私レベルの疑問点にしか気がついてない人もいるかもしれません。
「美術の時間を減らすとはなんてことだ!美術は大事なんだ!」と文句を言いながら、といって文句を言ったところでどうなることもなく、美術室で自分の好きな油絵を描いてるような先生が。
まとめます。
ゆとり教育とはまさに美術教育が目指してた教育であり、「本来は美術でこれをやらなくちゃいけなかったのでは?」というのが今の私の考えです。
長々ととゆとり教育のことを書いてきた理由はこれを言いたくて書いてました(笑)
今まで美術は文化なんである、特別なものである、保護されるべきである、と主張しすぎたのでは?
「美術の時間が無くなる」とかそういうのはミクロな問題。
絵を描く行為を特殊な行為にするのではなく、「日常生活・社会と密接に関係してるのが美術」、「思考法としての美術」という考え方も取り入れていけばいいはず。
もちろん、思考を表現するにはテクニックが必要。
だから絵の勉強をすればいい。
例えば、「そろばん」って電卓やエクセルが存在する現在ではそんなに必要のない道具だけど、暗算をやるには便利な思考法だから今でも習う人がいるわけですよね。
「絵を描く」という行為も考え方は一緒。
絵を描くことで思考を助けてくれることがある。
長々と書かれた文章よりも、たった1枚の絵の方が心に響くことがある。
ただ、これは美術を「デザイン」と解釈しすぎな考え方。
美術には「情操教育」「アートヒーリング」「ファインアート」という面があるし、これらが美術教育の根幹だと思ってます。
「美術は売れなきゃ意味がない!」という論点に、正直私は反対です。
それだけではない。
1では「矛盾」と言ってますが、きっちり物事を仕分けできると思ってる人は世間知らずな人で、何でも物事というのは裏表があり、それらを共存してるもんですよ。
全て抱えて前に進めばいい。
私が目指してる「ゆとり教育のような美術教育」が浸透すれば、「何でも物事というのは裏表があり、それらを共存して生きている」と考えられる人が増えるはずなんですが、今の世の中では「●●は必要ない!何故そうしないのか理解に苦しむ!」的な短絡的な人しか生まれてこない。
だからゆとり教育が完全否定されたわけで。
これこそ最大の矛盾です。
私達は、「『美術』の思考法をみんなができるようになれば、世の中はもっとよくなるよ」ということを伝えていくしかない。
ぜひコメントをお寄せください。
反論・・・でもいいんですが、できれば美術教育が前に進むための、新しい発想のコメントを。
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Comments:1
- 卜部 2010年3月15日 18:44
意見と言うより感想に近いですが…
自分の考えを伝えるコミュニケーションの術を発見する(させる)のが「教育」の最終的な着地点なのかなと思いました。
その伝える術でどのような手段(文章や数式などなど)が有用なのかを実際に使うこと、使っているところを見ることで何が自分に合っているかを判断させる、またはそれらを組み合わせ新しく構築させることを目的とする場所が教育機関なのかなと。
僕の意見としては、美術の時間が減らされたという認識よりも、美術の時間が減らされた分、代わりに増える授業(国語や数学など?)にどれだけ美術的な考察能力(※)の要素を取り入れることが出来るのかを考え、どれだけそれに取り組めるかが美術教員にとっての命題だと思います。
現場レベルでは難しいかもしれませんが…。※この“美術的な考察能力”というのは物事を見る客観性や図を使って考える技術などを含めての意味です。
もう少し言えば「物事を超俯瞰的に見る能力」でしょうか。
周りの他のものと自分が何で繋がっているのかを考える時間が幼少期からあると、一体どんな人間が育つんだろうと思います。
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