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久しぶりに日記を書いてもらおう57 -珍念くん編-

あ、直前告知を2つさせてください。

小野芋子さんも絶賛してるムサタマトークを5月4日、京都でやります。
第8回ムサタマトークを開催します!

で、翌日5月5日はデザインハブで空デ・津村耕佑先生と中山ダイスケさんのトークショーがあります。
「信じられるデザイン」展トークショーに津村先生登場!

共に事前申込が必要ですが、お時間のある方はぜひ!
東京ミッドタウンでは関連イベントもやってるんで、そちらも。
GWは京都と、オコジュさんも行ってる六本木で決まり!
・・・そろそろムサタマトークの原稿作らないとやばいな・・・。

大学によっては、今日明日を代休にして、他の休日を出校日にしてるところもあるようですね。
あ。ムサビはカレンダー通りですよ。



日記OBOGにリアルな現況を書いてもらうGW恒例「久しぶりに日記を書いてもらおう」シリーズ。
卒業後、一体彼らは何をしてるのか。

今年の久しぶりシリーズはこちら。


今年2発目は伝説のブログ長文大魔神・珍念くんです。
一発目を誰にするか相当迷ったんだけど、
彼から原稿をもらった時に、「一発目ではないけど、二人目は珍念くんにしよう」と決めてました。
なぜかは最後に書きます。

では、魅惑の珍念ワールドをご堪能あれ。

 

 

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tessoku.jpg

「売れるデザインの斬鉄剣」に見えてしょうがない

 

どうもこんにちは。

珍念と申します。

例によって自己紹介を例によって去年のコピペ改変で!
2005年度・工芸工業デザイン学科ID専攻卒、
某大手赤字電機メーカーのインハウスデザイナー、
この日記の掲載順によってはついに30歳になります!
テレビなんか売れねーんだよ!!!!!!!!!!!!!!

テ レ ビ な ん か 売 れ ね ー ん だ よ !!!!!!!!!!!!!!

あ、ヤベ怒られる…

手羽さん、毎度毎度このような機会をありがとうございます。


GW恒例「あの人は今」企画、
初回から参加・皆勤賞なのでこれが6回目です。
もはや誰だコイツを通り越してたまに出てきて古い伝説を語りだす長老ポジション、
いまにも「そういえば聞いたことがある…」とか言い出しかねない勢いじゃよ。
 

…近況報告といっても、
相も変わらずデザインしたコーヒーマシンで淹れたコーヒーを飲みながらコーヒーマシンをデザインする作業を
コーヒーマシンのように繰り返す毎日。

去年からの変化といえば5年務めた会社が消滅したことぐらい(吸収されちゃったアハハ…)なので
コーヒーうまいというかオシッコが近いというか
あんまり面白いことが書けそうにありません。
 

書けない時は初心に帰って
現役ライターさんのようにお題からテーマを拝借、
僕も「信じられるデザイン」について書いてみたいと思います。
僕が現役の時はお題システムなんてありがたいものはなかったなぁ…

学生でもなければ有名クリエイターでもない、
しがないいちプロダクトデザイナーの「信じられるデザイン」の話、
あいかわらず長くなっちゃいそうですが、よろしくおねがいします。
 

お題:「あなたにとって、『信じられるデザイン』とは何ですか?」


…とはいえ、小学校からのアップル信者に「信じられるデザイン」を挙げさせても
そう、アイフォーンならね。おわり。となってしまうのが困ったところ。

なので日記らしく?普段の仕事に絡めて書きたいと思います。
僕は主に業務用ドリンクディスペンサー、
ファミレスのドリンクバーとかマンガ喫茶、ファーストフード店なんかにあるボタンを押すとジュースとかコーヒーとかが出るアレのデザインをやっているんですが、

家庭用ではなく、お店に置かれて使われるものなので
ユーザーがどんなふうに使っているかというのを、お店に行けば自分の目で確かめることが出来ます。

デザインしたものが使われている様子を生で見れるというのは
デザイナーとしては大変嬉しく、また勉強になるのですが
授業参観よろしく、見たくなかった我が子の現実を見るハメになることも多々あります。

そんな「見たくない現実」の代表が黄色いテプラです。
皆さんは学校とかお店、職場で使っている機械なんかに、

tepra01.gifとか tepra04.gif

とか書かれたテプラが貼られているの、見たことありませんか?
 

お店に行くと、アレが機械の正面にビタビタ貼られていることがほんとうに多いんです。

tepra07.gifとかtepra02.gifとか、

下手をするとボタンに「お湯」って印刷してあるのにその横に

tepra03.gif

とか貼られてる。 

 

プロダクトデザイナーにとって、アレにまさる屈辱はありません。
検討に検討を重ねた配色の上に不遠慮に出現する黄色!
あのカクカクした全角ベタ打ちギザギザフォント!
場合によってはかわいいお花のマークとか入ってる!

苦労して作り上げた珠玉のデザイン(※俺視点)が台無しになって悲しい以上に、
使い勝手の部分で「そのデザインでは不十分だよ」というのが証明されてしまっているようで悲しいんです。

しかもユーザーに全く悪意はない。
おそらくよく気のつく誰かが、
「コレわかりにくいな…」とか「間違えて押しそうだな…」と、
お客様や仕事仲間のために貼った優しさの産物です。
下手をすると批判やレビューより痛い。

 

すべてのデザインというものは基本的に「信じてもらう」ことを命題として持っているように感じます。
ユーザーの信頼に応えうるものであるために、
ユーザビリティを考え、間違いが起きないように、あるいは機能を最大限堪能してもらうためにデザインします。
貼られたテプラはそのデザインが信用を勝ち得ていない証、
不信感の勲章が、あの黄色いテプラなんですね。

冒頭iPhoneの話をしましたが、
iPhoneにおしゃれなケースをつけている友人を見てスティーブ・ジョブズが心底悲しそうな顔をしたという逸話があります。
僕のコーヒーマシンとiPhoneを比べるのもおこがましいのですが、気持ちは痛いほどわかります。
ユーザーに悪意はないし、ユーザーがどうしようが、作り手側が口を出す問題でもない。
超個人的なことをいうとあの美しいiPhoneを野暮ったいケースで覆っちゃうとかありえないんですが、
覆っちゃう人がダメだとかケースなんて邪道だとかそういう話じゃなくて、
ケースをつけたい人はつければいいし、テプラを貼りたい人は貼ればいいんです。
ただ、デザインとユーザーとの関係性において、なんというか、「デザインが信じられてない」ような気がするんです。
心のどこかで信じていないから、手を加えてしまう。
ジョブズは「信じられていない」ことが悲しかったんじゃないのかな。

 

…ということでなんか結局アイフォーンの話になってしまいましたが
僕にとっての「信じられるデザイン」は
テプラの貼られないデザイン」です。
いつか、そんなデザインを実現する日を夢見て、
今日もコーヒーを飲みながらコーヒーマシンをデザインする作業をコーヒーマシンのように繰り返すぜ…

いつか、ファミレスでテプラのついたコーヒーマシンを見かけたら
奴のデザイン力もまだまだだな…と思って笑ってやってくださいね。

 
久しぶりの日記に手こずってコーヒー飲み過ぎた珍念

 
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↑9割ウンコとプラモデルの話です。


よく職場でもファイリングの表紙にテプラで書いた文字を貼ってる人がいるんだけど、
手羽はあれが苦手で。。。
ギザギザなフォントもそうなんですが、「シールを貼りました」的な部分が嫌いなんです。
「きれいに見せようとしてるけど、そんなにきれいじゃない」というところが。
「デザインしようとしてるけど、デザインされてない」感じが。
これ、わかる人多いと思うんだけど。

でも、とりあえずドリンクディスペンサーで、
ボタンを押してる間だけお湯が出るタイプ」と「ボタンを一度押すと適量がでるタイプ」があるけど、
あれはなんとかしてほしいのです。

適量出るタイプだと思って、ポンとボタンを押すと一瞬して出てこなかった時の屈辱感。
そして、押してる間タイプだと思ってボタンを押し続けたら、一度押せばよかった時の侮辱感。
まさに信じられないデザイン(笑)
あの時ばかりは黄色いテプラで目立つように
tepra05.gif
と貼りたくなる。。


「テレビなんて売れない」には手羽も書きたいことがあるんだけど、
珍念の長文日記にこれ以上長文で返すのはなんなので今度に。
 



というわけで、なんで珍念くんを二人目にしたかというと、
THEムサビ日記」な内容だから(笑)

これを読めば、現役生や卒業生は
「ムサビ日記や美大日記では何を書けばいいのか。どうやって書けばいいのか」
というヒントになるんじゃないかと。
ただ、1人目ではないな、と(笑)

毎年書いてるような気がするけど、珍念くんの文章は読みやすい。
なにより押しつけがましくない。(←これが手羽にはできない)
ネガティブっぽい話からユーモアを入れつつ、ポジティブな話への展開はさすがとしかいいようがありません。
それでいて美大OB・デザイナーとしての視点を入れつつ、みんなに考えさせる。

いろんな人に影響させ、いまだに隠れファンが多い珍念。
「上質な美大ブログ」ってこういうことなんだなーと。
 
ずっとブログ書いてるのに、何が読みやすいブログかわかってるのに手羽はまだこの域には達していない。
これは才能ですよね。

 

 

ま、珍念より人生では勝ってるから全然気にしてないけどねっ(キリッ)
うちはtwitterで夫婦喧嘩なんかしないしねっ(キリッ)
 

Comments:7

音量子 2012年5月 1日 06:01

おっ、珍念君、元気そうだな。

もう、30か。その年だと、世界に向かって誇れる仕事の一つや二つはあるだろう。

もしなかったとしたら、少々焦った方がいい。ぼやぼやしているうちに、40になるぞ。

とはいえ、テレビは儲からんなあ... なぜだか教えてくれ。

珍念 2012年5月 1日 07:04

音量子さん、ご無沙汰してます!
原稿執筆中、音量子さんの顔が浮かんで「テレビなんか売れねーんだよ!」を消しかけたのはナイショです。
世界に向かって誇れる仕事かぁ…

…精進します…!

poncho 2012年5月 1日 21:25

この「黄色いテプラ」は、手羽さんの演出だったんですね?
こういうところにムダに・・・いえ、丁寧にこだわるところが美大的?(ムサビ的?)

(いや、嫌いじゃないです。<笑)

uto 2012年5月 6日 16:14

手羽さんの言う通り、珍念さんの文章素晴らしいなぁ…

nia 2012年5月11日 01:06

うわーちんねんさんのおかげでしばらく何も書けなくなりました。空気の含んだ文章が羨ましいです。

ちんねんさん 2012年5月11日 18:34

なんなのこの流れ恥ずかしい(笑)
僕はこういうふうにしか書けないの!みんな書きたいように書こうぜ!

音量子 2012年5月14日 21:34

ニアさんの日記が読みたいんだが、今日はあの白髪染めした間抜けは奈良旅行のことを書いてたな。

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